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12Jul2012

長年のクレーム対応を通して私が達したメール接客術の秘密

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小規模なネットショップを運営するには、様々なスキルが必要になります。

一般の人が「ネットショップ」と聞いてまず思い浮かべるのは「WEB制作」や「受注システム管理」などの、いわゆるパソコン関係だと思います。
「お買い得」と一言表示させるだけでも立派なweb制作ですので、当然パソコンのスキルは大切です。

しかしながら商売の本質を考えると、僕はPCスキル以上に接客術が大切だと感じています。

ネットビジネスと聞くと”全く人間と関わらないで商売が成立するイメージ”があるかもしれませんが、人とのつながりが重要になるのはネットショップも実店舗もかわりません。

もちろん対面接客ではなくメール中心の接客になりますので、会話(トーク術)とは違う「文章(メール術)スキル」がとても必要です。

1. “フレンドリー&お節介”のメール術

ネットショップを始めた頃は社会人スキルも低い上に接客経験も無かったため、メールでお客様に不快な思いをさせた事も数多くありました。

現在はネットショップ運営の他にこのブログを書いたり、ブログ経由でサイト運営の相談を受けたりと、仕事の80%は文章執筆です。

向上心を持って毎日文章を書いてきましたので、こんな僕でも今では文章術に関してかなり自信を持っています。
(この文章量を何年も毎日続けて、それでも文章が下手だったらホント救えないですよね^^;)

小説家・記者とはまた違うタイプの”執筆家”とも言える仕事スタイルを続けているうちに、「メール接客術」に関しては最近になってやっと自分なりの答えが見つかりました。

メールを打つ時は”意識して”フレンドリー&お節介に

会話と同じくメールもコミュニケーションですので、全く同じ文章でも相手により、シチュエーションにより与える印象は異なります。

しかしこの”フレンドリー&お節介”の境地に達してからは、あらゆる場面でお客様の信頼感や好感度などが、昔の自分とは比べ物にならないほど向上したと実感しています。

クレーム対応・返品対応の最後に「ご丁寧に対応して頂き、ありがとうございました。安心できました。」と言って頂ける事も増えました。

フレンドリーさが不誠実さに感じられるという指摘があります。

それはフレンドリーが原因ではなく、応対をした人自身の不誠実さが現れた結果だと思います。
「親切を何気なく行える」事がフレンドリーなのではないでしょうか?
軽い口調や無責任な言い方は、フレンドリーではない”チャラい”だけです。

お節介がウザイという指摘もあります。

会話では余計な事まで言うとギクシャクする事がありますが、メールではその部分は無視されるだけですので、嫌われる原因にはなりにくいと思います。
長話が嫌われるように長いメールも嫌われる傾向がありますので、用件以外が長くなる事はなるべく避けましょう。

2. 書き言葉に対する意識を変える [考察・心構え編]

2.1. キャラクターを使い分ける

なんとなく悪意を感じる見出しですが、別に”善人のふりをして”お客様を欺こうというわけではありません。

「話し言葉」「書き言葉」

といわれるように、日本語という言語はシチュエーションによって口調を上手に使い分ける言葉です。

さらに、話し言葉の中でも友達・取引先・恋人・お客様・子供と話す言葉はそれぞれ異なります。

もし自分の恋人が、お客様と話すように丁寧に話しかけてきたら「あ、俺フラれるな・・・」と冷や汗をかくと思います^^;

奥さんに連絡をせずに遅く帰宅してしまった時に「夕飯は召し上がられたご様子ですね」と言われたら、確実に怒ってますよね。

キャラクターを使い分ける事は、みんな意識していないだけで、とても自然な事なのです。

ちなみに今回の内容は私のお客様には見られたくないような腹黒い内容がメインになります。
後述の「実践編」では、具体的なダーク手法が明らかになりますのでお楽しみに。

2.2. お店の格式と店員のキャラクターは関連する

店員とお客様の構図に限った場合でも、キャラクターの使い分けが必要です。

例えば、一流ホテルマンの口調と、町の八百屋さんの口調が全然違う事に異論はないでしょう。

これは「どっちが優れている」という事ではなく、シチュエーションに合った最適な口調がある、という事です。

ホテルマン口調の八百屋さんをイメージしてみてください。

「本日トマトが特売で大変お安くなっております。きっとお気に召して頂けると思います。」

なんか嫌味っぽいし気持ち悪いです。
「ホテルをリストラされてバイトしてるのかな・・・」と身を案じてしまいます。

その逆で八百屋口調のホテルマンがいたら、ホスピタルティの何たるかを徹底的に教えこんでやりたいです。

2.3. メールは笑顔が伝わらない

ここまでは話し言葉についての考察でした。僕は対面接客のプロではありませんので、違和感があったらご指摘ください。
ここからは本職であるメール接客についての考察です。

メール接客は対面接客とちがい、文章でお客様とやり取りをする事になります。

メールは保存されて何回も読みなおす事ができますので、口頭で説明をする際に生まれやすい“誤解(ミスコミュニケーション)”がほとんど発生しないというメリットがあります。

そのかわり、顔を合わせず口調もわからない状態で”文字だけ”でコミュニケーションをする「メール接客」は、少し言葉の選択を間違えただけでも大きな悪印象を与えてしまうデメリットがあります。

「申し訳ございません。こちらの商品は売切れてしまいました。」

上の文章の印象はどうでしょうか?
前後の文脈にもよりますが、良い印象ではないはずです。

同じセリフを対面接客で、本当に残念そうな悲しい顔をした店員さんが言っていたらどうでしょう?
これも場合によりますが、店員に対する悪い印象は持たないと思います。

メール接客の最大のデメリットは「笑顔(・申し訳なさそうな顔)が伝わらない」という事。

このデメリットを知らずにメールを作ると、正しい日本語を使えば使うほど冷たい文章になります。

2.4. ホテルマン口調を文章にすると冷たくなる

話し言葉をシチュエーションによって使い分けるように、メールの口調も使い分けが必要です。

ただしどんな口調でも必ず気をつける事は「笑顔が伝わる文章」にすることです。

ホスピタリティの最高峰であるホテルマンの口調をメールにしてみると、意外な事に、人間味のない冷たい文章になります。

正しい日本語ほど、冷たい印象になりがちなので注意が必要です。

それにも関わらずホテルマンが素晴らしいのは、

「正しい日本語+最高の笑顔+お節介」

の三拍子がそろっているからです。

「おはようございます。○○様。よくお休みになられましたか?(ニコッ)」

メール接客でも、ホテルマンを見習ってお節介を取り入れます。
そして僕は笑顔に代わるものとして”フレンドリーな口調”を取り入れています。

3. フレンドリー&お節介な文章 [実践編]

3.1. 正しい日本語を意図的に崩してみる

フレンドリーといっても「馴れ馴れしくしろ!」と言っているのではありません。

必要以上に他人行儀な文章はメール向きではありませんが、友達のような文章はやりすぎです。。お客様に大して失礼です。

(また腹黒さが出てしまいますが) 正しい日本語を扱う取っ付きにくい人物を捨てて、ちょっと突っ込みどころのある(人柄が)可愛らしい人物を目指します。

具体的には

・フレンドリーな話題 (昨晩は暑かったですね)
・丁寧な日本語よりも笑顔が伝わる日本語 (客観性よりも主観的文章)
・語尾をたまに崩してみる (暑かったです”ね”)

などの方法を取り入れます。

3.2. 客観は捨てて主観で伝える

客観的な文章には心が宿らず、主観的な文章は気持ちが伝わります。

「当店のまたのご利用をお待ちしております」よりも
「またご利用頂けましたらとても嬉しいです」

このような定型文は、メールのテンプレートを変えるだけですぐに実践できます。

定型文ではない、緊急時のクレーム対応は尚更主観で伝えるべきです。
ミスの原因説明で客観的な事ばかり言っていると、言い訳として捉えられてしまいます。
(実際、客観的な事ばかり言う人物は愚痴や責任転嫁の多い奴が多いと思います)

即日発送の商品が手違いで欠品してしまった際の対応では

「在庫数の登録が間違えていた為、入荷後の発送となります。」ではなく
「商品を数え間違えてしまいました!入荷後すぐに発送させて頂きます!」が良い文章と言えます。

主観性に加えてびっくりマーク(エクスクラメーション)もポイントです。

3.3. 主語の選択

多少くどくなりますが、主観的な文章には「私」という主語を入れると、より一層主観性が増します。

「商品を数え間違えてしまいました!」よりも
「入荷の際、私が商品を数え間違えてしまいました!」

責任を感じている事、心から謝罪していること、全力で対処しようとしている事。
これら全てにおいて、主語を入れたほうがアピール力を持ちます。

また、主語自体の選択も重要になります。

仕事では「私」以外は現実的ではありませんが、商品レビューやスタッフブログでは「僕」「店長」「うちのチビ」など、選択肢が広がります。

ちなみに当サイトの1人称が”僕”なのも、人間味を持たせる工夫です。
ただしお客様とのやり取りで「僕」を使うとフレンドリー過ぎて失礼ですので、メールの時はキャラクターを変更して「私」になります。

さらに言うと、今回の記事のタイトルには当ブログでは珍しく「私」を使っています。
こちらは人間味よりも専門性(プロフェッショナルっぽさ)を出す為の選択です。

小学校の国語の授業で「主語は同じものをつかってください」と習いましたが、そんな事は知りません。(さすがに同じ文章の途中で主語が変わることは(信用度が下がるため)しません・・・)

お店としてメールをお送りする際は1人称ではなく「当店」などが主語になる事が多いですが、そこであえて「私」を使うと人間味が出せます。

このへんのさじ加減は経験で得られるスキルであり、個性でありますので、正解はないと思います。

3.4. フレンドリーな話題

これは「社会人マナー」「仕事術」などのビジネス本でも言われている事ですね。

用件だけではなく、メールの最初や最後に

「関東地方も本格的に暑くなってきましたが、くれぐれも熱中症にはお気をつけてください。」

などの一言をつけます。

個人的な見解ですので・・・

僕はマナー本に書いてあるような見え透いた気遣いの文章は嫌いです。

本当に相手を気遣っていても、定型文を使うだけで “心ない社交辞令” に成り下がります。

特に「暑いですね」「寒いですね」「インフルエンザが流行っていますが」「熱中症が・・」など。

うちの女性スタッフのメールに、こういった体調を気遣う一言が入っていたら「いいメールだったよ」と誉めますが、自分自身は絶対に「ご自愛ください」とは言いません。

少なくても僕が受け取る側だったら、男(おっさん)に体を気遣われても嬉しくないです。

参考にならない極端な例を一つあげます。

先日、web制作でお世話になったクライアント様のお宅がまさに震源地の地震が起きました。しかも最大震度5弱の地震です。その時には僕も仕事の用件も無いのにメールを送りました。

普段から「暑いですね」「寒いですね」の定型文は嫌いですが、こういった緊急時や特別な時の本当の気遣いや、それをメールで伝える事は大切だと思います。

4. お節介精神

4.1. お節介な一言

先ほどの「ご自愛ください」に通じますが、お節介な一言こそがメールで人柄を伝える有効な手段だと考えます。

ホテルマンが「昨晩は良くお休みになられましたか?」と聞くのは、お節介以外の何物でもありません。

第一に、あなたに教える義理はないし、
第二に、今更言われてももう遅い

です。

返答したところでこちらのメリットは皆無ですが、それでもそれを聞いてくれる心遣いが優しさとなって、お客様に伝わるわけです。

4.2. アンケートにならないようなお節介のタイミング

ネットショップの話に戻します。

お客様に対して、寝心地よりも気になる事はたくさんあります。

・品ぞろえは満足したかな?
・値段は納得だったかな?
・わかりにくい説明・操作はなかったかな?
・商品は時間通り届いたかな?
・商品は壊れずに届いたかな?

これら全てを何の前触れもなく質問したら、ただのアンケートになります。

朝起きて最初に顔をあわせる際に「よく眠れたか」聞くように、適切なタイミングでお節介をやきましょう。

「商品発送しました」のメールに「もし破損していた際は、これこれこういう手順で・・・」という事をお伝えします。
これはとても重要な事項ですので、全てのネットショップでテンプレート化して頂きたいと思います。

どんな常連のお客様でも、大切なお節介は毎回伝えましょう。

4.3. メールのお節介は難易度が超高い!!

人の仕草や目線から、その人が口には出さないけど欲している物を察していちいち聞くのがお節介です。

メールではお客様の仕草どころか顔も、場合によっては性別もわかりませんので、「察する」事は至難の業になります。

そういった理由から、現実だったら一番ウザイ「一方的なお節介」が中心になってしまいます。

購入直後のメールで

・こちらの商品は私も愛用していますが、〜〜〜で気に入っています!
・こちらの商品はメール便発送も対応しておりますので、今からでも変更できます。
・現在欠品中のこちらのお色が今届きましたので、ご希望でしたら変更可能です。

など、頼んでもいないのに押し付けてくる”一方的なお節介”をマスターしましょう!

4.4. お節介は手間がかかる

ここまででお気づきでしょうが、本格的なお節介は面倒で手間がかかります。

前項のメール例で、「じゃあメール便に変更してください」と言われたら注文内容が変わり、再決済の手続きや発送ラインを止める必要もあります。

身を削ってサービスをするのがホスピタリティーですので、この精神が欠けている場合は行動に移すことはできません。

大企業などで分業体制が整っている場合は、現場判断で個別のお客様に柔軟なサービスをするのが難しい状況があります。

当サイトを読んでくれる小規模ショップオーナーさんは、「各個人と向き合った丁寧な対応」こそが大手と差別化できる勝負どころだと意識して、ホスピタリティーの向上に取り組んで頂きたいと思います。

【あとがき】

メール接客術というテーマなので「文章の上っ面だけ」だと思った方、残念でした。

言葉の選び方、文章の書き方にも触れましたが、結局は「どれだけお客様の事を大切にできるか?」という心持ちの話になります。

「自分のミスだ!自分がなんとかしよう!」という気持ちがないと、「私のミスです」という言葉は出てこないでしょう。「あいつの責任だ」と思っている奴に「私のミスです」と言う勇気はありません。

僕は常に「丁寧で優しい人間になりたい」と考えながらショップ運営を行ってきました。
気のせいか昔よりも顔つきが優しくなった気がします。(←太っただけ)

心あっての言葉ですので、ホスピタリティーの精神を持たずに「私のミスです」だけをコピペしないようにしてください^^;

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