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25Jul2016

【WordPressの始め方・1】WordPressに最適なレンタルサーバーの選び方

今回からは「WordPressの始め方」という連載記事をお届けします。
これから初めてWebサイト運営にチャレンジする方に向けて、WordPressをインストールするところまでを中心に解説していく予定です。

サーバーとドメインの基礎知識

Webサイトが表示される仕組み

私たちが普段見ているWebサイトは全てWebサーバー上に保存されたファイルです。Webサーバーと聞くととても難しく感じてしまいますが、基本的には普段使っているパソコンと同じコンピューターです。

例えば、私たちが以前撮影したデジカメの写真を見たくなった時は、以下のような動きをしていると思います。

  1. 見たい写真が保存されているパソコンを探す
  2. パソコンをつける
  3. 写真を開く

これと同じようにWebサイトを閲覧する時は、Webサーバー中に保管されたWebページというファイルを開いています。Webサーバー上のファイルは私たちのパソコンと同様に「写真が入ったフォルダ」「文書が入ったフォルダ」と、フォルダごとにわかれて保管されています。決定的に違うのは、個人のパソコンは写真を見たい時に電源をつければよいのですが、Webサイトは世界中の不特定多数の人がいつでも見られる状態にしておかなければいけない、という点です。つまり24時間365日いつでも稼働していなければいけないのです。

  1. (Google検索などを利用して)見たいWebサイト(Webサーバー)を探す
  2. (Webサーバーは常時起動している)
  3. Webページを開く

冒頭で「Webサーバーは基本的にパソコンと同じ」と言いました。実際にWindowsやMac OSXにはWebサーバーの機能があり、自宅のパソコンをWebサーバーとして利用することもできます。しかし先ほど説明したとおり24時間電源を入れっぱなしにしなければいけませんので、一般に公開するサイトを自宅のパソコン上に保管しておくのは現実的ではありません(WindowsやMac OSXなど私たちが普段使っているOS(クライアントOS)よりも、サーバー機能に特化したサーバーOSのほうがサーバーとして高機能なことは言うまでもありません)。そこで役に立つのがレンタルサーバーです。

レンタルサーバーとレンタルブログサービスの違い

レンタルサーバーとは、その名の通りレンタルで利用できるサーバーです。Webサイトを保管し公開する「Webサーバー機能」や、メールを受信送信する「メールサーバー機能」を利用でき、価格も月額数百円から利用できます。自分だけのオリジナルのドメインを使ってWebサイトやメールアドレスを作りたい、という方はレンタルサーバーを利用するのが最善です。

反対に「ドメインはオリジナルじゃなくていい。メールもいらない。手っ取り早くブログを作りたい」という方には、レンタルブログ(無料ブログ)がおすすめです。レンタルブログというとYahooブログ、アメブロ、FC2ブログなどが有名ですが、WordPressも公式にWordPress.comというレンタルブログサービスを展開しています。こちらは登録するだけでインストール版とほぼ同じ機能のWordPressが利用できますので、とりあえず一度WordPressを触ってみたい、という方にもレンタルサーバーを借りる前に体験してみる価値はあります。

WordPress公式レンタルブログサービス

レンタルブログサービスの多くはオリジナルのドメインが利用できませんので、将来的にレンタルサーバーを借りて独自ドメインで自分のサイトを立ち上げる時にはドメインが変わることになります。ドメインが変わるとそれまでに築き上げてきたサイトの価値を捨てることになりますので(他サイトからのリンクが無駄になる、検索エンジンに表示されない、など)、ビジネス用途の場合はレンタルブログサービスという選択肢は非常に限定的になります。

ただし覚えておいて欲しいのは、アメブロやYahooブログなどサービス内でのアクセスが見込めることもありますので、一概に独自ドメインのほうがアクセスアップに効果があるわけではありません。レンタルサーバー+独自ドメインでは、サイトの拡張性、ブランディング、などの価値がレンタルブログと比べて高いため、一般的にはビジネス向きだと考えられます。しっかり運営していく気合の入っている方、デザインや機能など拡張性を重視する方は、迷うことなくレンタルサーバーを選択してください。

レンタルサーバーの種類

レンタルサーバーのサービスには、大きく分けて専用サーバー共用サーバーのプランがあります。

専用サーバー

サーバーコンピューターを1台まるごとレンタルするのが専用サーバープランです。パソコン本体を買ってきて自分でOSを入れたりブラウザを入れたりするのと同様に、OSやソフトウェアを自分でインストールすることもできます。逆に言うと、このようなサーバー管理を自分でできない場合は専用サーバーを利用することはできません。

共用サーバー

サーバーコンピューターを複数の契約者で共同で利用するのが共用サーバープランです。WindowsやMacでもユーザーを複数作成して家族で共同でリビングのパソコンを利用することがあると思いますが、同じようなイメージです。当然HDDなどの記憶領域が共用になる上に、サーバーの場合は同時に複数の契約者のWebサイトにアクセスが発生するため、CPUなどの処理能力も共用になります。また一部の特定の利用者によりその他大勢に迷惑がかからないよう、転送容量や処理負荷に制限があります(頻繁に制限を超える使い方をするユーザーには上位プランへの変更や契約解除を申し出られることがあります)。これらの制限がある一方で、OSやソフトウェアの管理はレンタルサーバー会社が行いますので、素人でも安心して利用することができます。

初めて自分のサイトを立ち上げる!という方は共用サーバーを利用しましょう。

仮想専用サーバー(VPS)

仮想専用サーバー(Virtual Private Server:VPS)とは、1台のサーバーコンピューター上に複数の仮想的なサーバーコンピューターを起動する技術です。HDDやCPUなどのリソースは共用となりますが、OSやソフトウェアのインストールは専用サーバーと同等に自由になります。

WordPressとサーバー

WordPressの動作要件

レンタルサーバーを選ぶ際に判断基準となるのは主に以下の3点になります。

  1. 価格(初期費用+月額費用)
  2. スペック(容量、機能)
  3. アフターフォロー

WordPressには動作要件がありますので、WordPressの利用が前提となる場合はスペックを確認することから始まります。

WordPress最新版の動作要件は公式ページにて確認しましょう。本稿執筆時点での動作要件は PHP5.6以上、MySQL5.6以上(またはMariaDB10.0以上)です。MySQLとMariaDBは共に「関係データベース管理システム」で、どちらか一方を利用します。しかし後発であるMariaDBを利用できるレンタルサーバーはまだ非常に少ない状況ですので、基本的には「PHP+MySQL」と考えて良いでしょう。(参考:プレスリリース:日本初!1stレンタルサーバーが 共用プランで「MariaDB」提供開始

WordPress公式
WordPress日本語公式

2016年現在、国内のメジャーなレンタルサーバーサービスの多くはWordPressが稼働しますが、それでも心配性な方は「WordPress対応!」などと謳っているサービスを選べば間違いありません。

WordPressに必要な容量は?

サーバーを選ぶ上で容量は気になるポイントだと思います。

昨今は外出中に利用できる回線速度が速くなり、それに伴ってサイト1ページごとの容量も大きくなる傾向にあります。そういった理由から、サイト全体のデータ容量も時代とともに増えていくでしょう。また、画像を多用するサイトや動画など容量の大きなデータをサーバー上に保存しようと考えている方にとっては、容量は大きいほうが安心ですね。利用できる容量が大きいと通信速度が遅くなる、などのデメリットはありませんので、利用可能な容量が多いのに越したことはありません。

反対に、最低でもどのくらいの容量があれば良いのか?を知りたい方も多いはずです。これは一般論と経験則になりますが、1つのサイトのデータ容量が10GBを超えているケースは、あまり見たことがありません。ECサイトなど画像を多く使用するサイトは使用容量が大きくなりますが、筆者の経験では法人が運営しているECサイトでも10GB以下に収まっています。当然もっと容量を必要とするサイトも多く存在しますが、1サイトで30GBや50GBといった巨大メディアを構築する方々(組織)は、きっとこの記事を読んでいないと思います(笑) 

結論としては、利用できる容量は多いほど良いが1〜2サイトを運営するには50GBもあれば充分です。

サーバーごとの特色

その他、便利機能

ここまでに挙げた他にチェックしたいポイントがいくつかあります。

  • WordPress自動インストール機能の有無
  • 利用可能な独自ドメインの数(マルチドメインの可否)
  • 利用可能なMySQLデータベースの数
  • 転送量
  • 表示速度

WordPress自動インストール、ワンクリックインストールなど、サービスにより呼び方は様々ですが、、、要はお察しの通りです(笑) 
サーバーパネルにログインをして、簡単な操作でWordPressをインストールすることができます。この機能を利用出来ない場合は、WordPressのインストールを手動でおこなうことになります(WordPress本体ファイルをサーバーにアップロードして、サーバー上でMySQLを作成して、WordPressをMySQLに紐付けて、、、)。手動インストールはネット上の情報を参考にすればそれほど難しくない作業内容ですが、最低でもFTPソフトの用意が必要になったり、と、Web制作気味な作業になります。Web制作をした経験がない人にとっては未知の領域になりますので、自動インストール機能は重要なポイントの1つです。(自動インストールを利用できる時点で、100%WordPressが動作する、という保証にもなりますね。)

これから契約しようとしているサーバー上で複数のWordPressサイトを運営する予定の方は「利用可能な独自ドメインの数」と「利用可能なMySQLの数」を必ずチェックしましょう。WordPressを利用する方の多くは独自ドメインでサイトを運営するはずですので、サイトの数だけ独自ドメインを利用できなければいけません。また原則的に、WordPress1つにつき1つのMySQLデータベースが必要ですので、サイトの数だけMySQLの数も増えます。1つの契約内で複数のドメインを利用できることを「マルチドメイン」と呼びます。

次に「転送量」とは、一日あたりどのくらいのデータ量を転送できるか(閲覧できるか)?ということです。多くのサーバーでは一日あたりの転送量上限の目安を公開していますが、転送量上限を公開していないサーバーもあります。頻繁に転送量が上限に達すると、上位プランへの変更を促されたり、悪質な場合は契約解除を申し出られたりする可能性があります。高解像度の写真をそのまま載せたり、動画を載せたりすると、転送量が膨大になることがありますので注意しましょう。他にも、メールサーバーとして利用する場合は、迷惑メールが原因でサーバーに負荷がかかってしまうことがあります。

最後の「表示速度」ですが、これは実際に使用してみないと判断できないため非常に難しい項目です。WordPressはサーバー上で稼働するプログラムですので、サーバーの処理速度が重要になります。価格に比例して表示速度(処理速度)が良くなると信じたいのですが、中には高いカネを払っているのに全然満足できないケースもあります。筆者のイメージでは、月額1000以下のサービスは「速度はそこそこ。コスパ満足」、1000円台は「速度も機能もコスパも満足」、3000円を超えると「速度も機能もセキュリティもアフターフォローもいいね。でも趣味ブログにセキュリティとアフターフォローいるか??」という感じです(笑) ちなみに当サイトは公開当初から月額1000円のXserver(X10)で運営されています。

結局オススメは?

WordPressを利用できる格安レンタルサーバーとして、ロリポップ、さくらサーバー、あたりは非常に有名です。どちらも月額500円程度で利用でき、マルチドメインにも対応しています。速度については価格相当といった評価が定着していますので、商用サイトには向かないですが、個人の趣味サイトや、ビジネスでも名刺代わりにとりあえず作ったようなサイトには充分でしょう。

先ほど自然とオススメしていますが、Xserver、お名前.comなど月額1000円付近のサーバーは価格面も機能面も非常に満足できます。筆者自身、長い期間愛用していて非常に安定しているXserverは特にオススメです。月額1000円、年間1万円以上+ドメイン費用となると、試しにやってみるには若干躊躇する価格になるかもしれません。しかし大半のユーザーはこの価格帯で必定充分だと思います。

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